【ブログ】塾講師が勧める小説入門6選
2022.7.12こんにちは。
上板橋の学習塾、久賀塾の久保田です。
前回お話ししたとおり、国語の成績を上げたい場合は『オタクになれる本を見つける』ことが一番の近道です。
しかし普段から本を読まない人にとっては、小説ってあまりに多すぎて何から読めばいいかさっぱり分からないですよね。
そんな人たち(今回は中学生メイン)に、今日は好み別で読書の入り口にぴったりな小説をご紹介します!
ちなみに全部泣けます。
…と言われるとなんとなく読みたくなりませんか?
さて、次の中から気になるものを選んでください。
-
『小説』が苦手なので高度な絵本レベルから始めたい
- 落ち込んだ時に空を見ると元気が出るようになりたい
- 夢に出ない程度の怖さのホラーに触れたい
- 謎解きが好きだ
- 友人関係に悩んでいるのに誰も気持ちを分かってくれない
- とにかく感動してみたい
- 現代社会に疲れた
- 妖怪が好きだ
- とりあえず短編から始めたい
- 明日世界が終わるとしたら…と考えたことがある
- もはや小説はハードルが高いのでとりあえず『本』から始めたい
- 虫ってキモかわいいなと思う
1と2を選んだあなた…「星の王子さま」サン=テグジュペリ
児童書と呼ぶには文量がしっかりあり、その割に易しい言葉で書いてあるのでとても読みやすいです。
作者はもともとパイロット。
サハラ砂漠に自分の飛行機が不時着し、3日間かけて歩いて戻ってきたことがあります。
その果てしない道のりの中で思いついたのがこの作品です。
王子さまは私たちの常識を超えて、遠くて近いところから誰よりも純粋に物事を見つめています。
簡単な言葉で書かれているからこそ、胸に直接訴えてくる一文が必ず見つかる作品です。
3と4を選んだあなた…「暗いところで待ち合わせ」乙一
表紙が怖いんですよね、まず。
おばけの怖さではありませんが、人間の怖さと張り詰めるような緊張感を味わうことができる感動ホラー小説です。
舞台は目の見えない女性の家。
見えていないのを良いことに、殺人の指名手配犯がこっそり部屋に入り込み、息を潜めて生活します。
小さな音でもバレるんじゃないか、冷蔵庫の食べ物が減ったらバレるんじゃないか、でも外には出られない…そんな緊張感の中で少しずつ事件の謎が解き明かされていきます。
実はこの作者、かなりぶっ飛んだグロい小説を書きます。
それでいて、時々この1冊のようなジーンとくる少し不思議な作品を出すんです。
その二面性が一番怖いです、私は。
5と6を選んだあなた…「きみの友だち」重松清
いじめ小説と言えば、の重松清さん。
あまりにリアルに書くので、いじめられていた経験のある私は辛すぎて読み進められなかった作品もあります。
そんな中で、その経験にそっと寄り添いながら、それでも世の中は理不尽だと現実を突きつけながら、決して綺麗事だけで終わらせない小説がこれ。
最初に読んだ時、顔がグシャグシャになるくらい泣きました。
大人たちが知っているのに無視している、学校の中の『ヒエラルキー』や『陽キャ陰キャ』『いじめ』を、見てきたかのように書いてくれます。
最後まで読んでも胸クソが悪くならない、良いいじめ小説(変な言い方ですが)。
7と8を選んだあなた…「しゃばけ」畠中恵
江戸時代ってなんか良くないですか?
着物を着た人、電化製品のない生活…。
なにより、科学が発達していなかったからこそ信じられていた『妖怪』の存在。
人間が理解できない不思議なことは全部…妖怪のせいなのね(そうなのね)!
この本は『江戸✕妖怪✕探偵』、てんこ盛りのエンターテイメント小説。
主人公が最強の手下を従えたり、パワーじゃなく頭脳で敵に勝ったりする展開が好きな人にもオススメです。
大抵の人は好きですよね、そういうの。
9と10を選んだあなた…「終末のフール」伊坂幸太郎
短編集のようでありながら、それぞれの作品がちょっとずつ繋がっている仕組みです。
1話ずつなら気軽に読める量ですし、ほんとうに入門にオススメ。
3年後に地球に隕石が落ちて、ぜーんぶが終わっちゃう…ということが分かっている世界で生きている人たちの『日常』が書いてあります。
3年というのが絶妙な設定です。
明日、でもなく、100年後、でもない。
リアルに近づいてくる時間だけど、その時のことはちょっと想像しにくい。
中学1年生が、高校1年になった自分のことをイメージできないのと同じです。
色んな人にそれぞれの生活と気持ちがあるのに、容赦なく迫ってくる『地球の終わり』が大きな決断を迫ってきます。
どうしようもなさとやるせなさに苛まれながら、それでも確かにある愛おしい生活を覗いてみませんか。
11と12を選んだあなた…「へんないきもの」早川いくを
もはや小説じゃないです、ええ、どちらかと言えば図鑑です。
いいんです!文章を読むきっかけならなんだって!
世の中にいる奇妙ないきものたちについて、ちょっと毒舌を交えながら紹介してくれている、生物の勉強頑張ろっかな〜と思わせてくれる1冊です。
山賀の実家に行った時、私とは全然趣味の違う本棚の中にこの本を見つけた時かなり興奮しました。
本は全然読まない山賀でも、この本だけは面白くて親に頼んで買ってもらったそうです。
まとめ
2,000字も書いてしまいました。
これが『本のオタクになる』ことです。
読んでいない人が興味を持てるように、あらすじに触れつつ感想を交えて素晴らしさを伝える。
どの本も2周以上していますので、読んだ方はぜひ私に『紹介』してください。
国語的にどうしたらいいか、添削します。