こんにちは。

久賀塾の久保田です。

前回に続き、ハワイちゃん(仮名)の華麗なる大逆転劇について書きたいと思います。

今回はいよいよ受験編です!

一緒に頭を悩ませて、偏差値を半年で22も上げることが決まったハワイちゃん。

一見無謀な計画に見えますが、勝機が2つありました。

1つは受験科目が現代文と英語のみで少なかったこと。

暗記も英単語と熟語だけで良いですし、教科が絞られている分それぞれにかけられる時間も多いです。

もう1つは彼女がものすごく素直で、言われたことは必ずやる頑張り屋さんだったこと。

合格までに私が考えた勉強プランはかなり大変なものでしたが、それでもやりきるだろうと思いました。

そこからは毎日朝9時に塾に来て、夜22時に帰宅する生活が始まりました。

昼休憩にチーズナンを食べたり(自分で紙皿を買ってチンしました)、ハッピーセットのおもちゃを眺めたり…。

彼女の得意教科は英語です。

点数があまり取れなくても、確実に「得意」な教科でした。

なぜなら、英語がとても好きだったから!

ハワイちゃんはディズニーをこよなく愛しています。

文房具はディズニーのキャラがついていないものを探すのが難しいくらい(どこでこんなに見つけてきたんだと思うくらい)完璧にディズニーでまとめられていました。

かく言う私も、ディズニーストアの前を通ると感極まって涙が出るくらいにはディズニーが大好きだったので、私達は完全に意気投合していました。

休み時間にアリエルになりきったり、ハクナマタタを熱唱したりして楽しく受験期を過ごしていました。

彼女のすごいところは、好きなものを全部使って勉強したところです。

大好きなディズニーと英語を組み合わせて、もうすっかりセリフも覚えてしまっている映画を英語で見直し、しっかり涙ぐみ、分からない単語を検索して身につけ…。

休憩時間も勉強しながら、好きなものを楽しみながら、彼女なりの受験の乗り越え方を見つけて過ごしていました。

出願の時期、滑り止めも入れて全部で5校ほどの受験を決めた彼女。

学部や受験時期も変えたので、本番自体は10回以上あったと思います。

満開の花のようなハワイちゃんでしたが、今までしたことのない量の勉強をしているのに過去問が全然解けなくて落ち込んだことももちろんあったと思います。

卒塾後にもらった長文のラインには、「実はこっそり泣いた日もありました」と書いてありました。

それでも持ち前の明るさと元気さで頑張り続け、とうとう滑り止め校から受験がスタートしました。

受験しては結果も分からないまま塾に直行して勉強し、また受験に向かう…怒涛の日々でしたが、面白い部分は変わりません。

「せんせ〜!今日隣の子が鼻血だしたんですよ!」

「あら、どうしたの」

「仕方ないからティッシュ貸してあげたんですけど、許せなくて!」

「ああ、集中が途切れちゃったから?」

「いえ!今日は、受験のために開けないで取っておいたアナ雪の大切なティッシュを持っていったんです。眺めて元気出そうと思って!なのに、私がずっと大事にしてたそのティッシュの最初の1枚を、その子にあげることになったんですよ!!」

「…なるほど」

「信じられない!ほんと大事に使い切ってほしい!もはや拭いたあと食べて栄養にしてほしい!」

「食べるのは難しいかもね」

「あ〜!怒りました!次も頑張るぞ〜!」

リスニングがあった日には、先生に採点してほしいと問題を持って帰ってきたのですが…。

「リスニングは音声がないと採点できないなあ」

「違うんですよせんせ〜!そう思って、音声のSDカードを持って帰ろうとしたんです!そしたら、ダメって!」

「ダメだよそりゃ!」

「だからSDカードの入ってた袋もらってきました!」

ただじゃ帰ってこないです、ハワイちゃんは。

大切に持って帰ってきた小さいビニール袋は、とりあえず塾の壁に貼り付けておきました。

こんな調子でしたが、受験の結果はすごいものでした!

滑り止めも第2志望も、受けたところはなんと全て合格。

「せんせ〜!受かりました〜!」

「せんせ〜!また受かってました〜!」

「せんせ〜!学部どっちも受かってました〜!」

たくさんの選択肢を持っていよいよ迎えた本命の合格発表日。

ハワイちゃんは、初めて「不合格」の文字を見ました。

「せんせ…ダメでした!」

いつもと少し違う笑顔を向けた彼女は、すぐ机に向かいました。

「もう1回受けられるので、そこで見せつけてやります!!私、こんなに頑張ってきたのに!」

と、机に積んだ大量のノートとプリントを眺めて。

そうだね、本当に本当に頑張ってきたよね。

一緒にディズニーのセリフを文法分解してどうにか暗記したり、基礎の基礎からやり直そうって中学のテキスト引っ張り出してきたり、たくさんの工夫をして、諦めないでここまできたもんね。

そうして、2回目の本命受験が終わりました。

合格発表の日、彼女は一応滑り止め校の受験が残っていたので、塾で勉強していました。

他の受験生は受験をしていたので、塾には彼女1人。

発表は正午、ネットで結果が見られます。

11:58になって、ノートを閉じてスマホを開いたハワイちゃん。

ああ、どうか。

その時、彼女のスマホが震えました。

電話です。

「ママ!今から合格発表見るよ!」

と電話に出るハワイちゃん。

「えっ…受かってる!?受かった!?」

なんと、ネットでの合格発表の前に、入学の手続き書類が郵送で家に届いたそうです!

私は彼女が言葉を失っているのを初めてみました。

「え〜、えっ、本当に!?え〜!!!すごい!!すご〜〜い!」

「せんせ〜!受かってました〜〜〜!」

今までで一番嬉しかった「せんせ〜!」です。

偏差値22の壁を越えて、見事に第一志望のフェリス女学院大学に合格したハワイちゃん。

今は大学でフラダンスに没頭しながら、たくさんのことを学んでいるそうです。

そして…彼女からは未だにLINEが来ます。

一言目はいつもと同じ「せんせ!」。

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卒塾しても一緒にディズニーランドに行ったり、後輩の祝賀会に来てくれたり、塾の引っ越しを手伝ってくれたり、まだまだ彼女の笑顔に会えることを私はとても嬉しく思っています。

合格後に彼女がくれたLINEには、こんなことが書いてありました。

「学校で周りは推薦合格もらった子ばっかり、私1人だけ受験頑張ってるみたいで心が折れそうなときも、塾に来て先生に会ったり、後輩に応援してもらったりして、それで私は頑張れました。塾に来れば、みんながいたから」

これが涙の大逆転劇です。

ずっとこんな塾でありたいな、と思わせてくれた、私とハワイちゃんの短くてエネルギーに満ちた旅路のお話でした。

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